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ポスターを作り、街をおこし、UFOを呼ぶ。
広告界の異端児が作る街と広告とその人生。

ユーラシア大陸横断、就職、病気、挫折、出会い、別れ……。コピーライターという枠を超え、人生の迷子になった著者が、あらゆる違和感と向き合った末にたどり着いた〝ある想い″。
商店街のユニークなポスターを制作し、町おこしにつなげる『商店街ポスター展』で注目の著者が、プロジェクトを手掛けるまでの悩みや葛藤、そしてその人生を自身の言葉でユーモラスに綴る。

「新たな一歩を踏み出そう」とする、すべての人に贈る一冊。

 

都築響一さん 三戸なつめさん 推薦

都築響一さん

広告って、いつも上から目線だ。「これがいいんだから買え」みたいな。でも日下くんだけは、いちばん下のほうでうごめいているなにかをぐっと押し上げて、僕らに見せてくれる。
おもしろい広告は、本気でおもしろがってなくちゃできない。
どんなに巧妙につくろっても、見るほうにはちゃんとわかるからと、日下くんは教えてくれる。広告業界人にとって、この本はすごく苦い薬か、避けて通りたい正道なのだろう。

三戸なつめさん


日下さんとの出会いは衝撃的でした(笑)。
自分の考えの斜め上をいくというか、こういう発想があるんだと。
ただかっこいいとか素敵ってだけじゃなくて、面白さだとか、“超違和感" なところを引き出してくれて、それが今につながっているようにも思います。

​読者の方からの感動の声が続々届いています!

 

山川博子さん 主婦 (石川県)

この本は、アートよりも広告よりもずっと大切なことを思い出させてくれます。日下は天才でも超人でもなく、ただ何からでも味わう感受力と、違和感に目を瞑らない正直さと、周囲の全てに対するリスペクトと人並みの律儀さと若干の無謀さを持っていて、それらを駆使できる程度には迷子だったのでしょう。読み終えると、2011以降の日本の有り様をリアルに記録して映し出している出来たばかりの歴史書のようにすら思えてきました。

黒澤伸 金沢21世紀美術館副館長(石川県)

NEW!

日下さんの物事への眼差しが、とても暖かく、そしてちょっとだけ距離があって。
面白い先輩に、チャレンジすることへの背中を押してもらったような気持ちになりました

坂東祐大 作曲家 (埼玉県)

NEW!

前半のリアリティは圧倒的だった。
その後はカオスが徹底的に祭られた。
生きることが愛おしくなった。
好きな本が、できた

廣田顕久  コピーライター (岡山県)

NEW!

迷子のコピーライターの言葉は、迷子の女子高校生にも届きました〜 現状や進路に対する言葉にできないモヤモヤ感、なにか刺激がほしいと思い本をたくさん読んでいたところ、この本に出会いました。黄色い表紙に、かわいいピンクのタイツ着ているおじさんがいたら、手にとらない理由なんてないでしょ!笑 周りにこんな大人の人いてほしかった、って思うくらい私の夢みる面白いことやっている面白い人で、読んでると過剰にビタミン剤を摂取したみたいで、嘘のように元気でました!将来一緒にお酒飲んで「お前もいいアホやなぁ」って言われたいので、それまでは、おもしろいアホになるために修行を積むことにします。笑ありがとう日下さん!

ASUKA 高校生 (東京都)

NEW!

実は斜に構えてこの本を手に取ったんです。
「まちづくり」をバズらせたコピーライターの傍若無人を、まことしやかに書いた自伝だろう。
という感じで手に取って読んでみると…。旅?病気?大失態?自信喪失?
逃げて、落ちて、うまくいかなくて、その環境の中迷いながら歩いてたら、道のようなものが現れて、そこをなんとなく歩いている。文字通りの迷子のロードストーリーでした。どんどん優しくなればなるほどアホになっていく。そんな著者のむき出しな愛情表現(作品や企画)に、胸の奥がギュッと掴まれる、コミックのようなビジネス書?です。大切な何かを無くしたくない。でも、その何かがイマイチわからない世のおじさんたちに読んで欲しい。理由はよくわからんですけど、そう思います。アホは地球を救う!

渡部勝之 小豆島スポーティーズ(香川県)

NEW!

真面目な私が一気に読破。バックパッカーやヒッチハイク経験のある私は出だしで掴まされ、波乱な展開で最後まで読みやすく。本当はアホな面を持っている自分を出したくなって、終盤にまとめてあるポスターなど参考にし、弊社イベント用に自身のポスターを作りました。こんな行動力までつけてくれた日下さんに感謝です。自分の舞台はこれからも自分でつくります。かっこいい女になるためにあほになる!前向きな背中の後押しでした。

kei ジュエリーデザイナー(神奈川県)

NEW!

私はずっと、いま自分がおもしろいことができないのは、会社に属しているからだと思ってきた。決定権がないわけだし、自分の意見は通らないことも多いし、輝いて見える友人たちもみんなフリーじゃん。フリーなら自由だしチャレンジもできるだろうけど、そんな能力ないし、おそらくやる気もない。私にはどうにもできない。現状に甘んじてやっていくしかない。そう思っていたのに。日下さんは現役の電通社員。まじか。企業に身を置いたまま、しかも電通というとてつもない巨大な看板を背負ったまま、UFO呼べちゃうんですね。

梶村操 コミュニケーショントレーナー(大阪市)

NEW!

普段本を読まない僕でも一気に読んでしまいました。そして、何度も読み返しました!
「アホになる」色々経験してきた日下さんの言葉だから心にしみる!物事を起こす原点として常に心に刻んでおきます。

三ツ川拓司 青年会議所 (大阪府)

NEW!

NEW!

久しぶりに頷いたり笑ったり悲しくなったり五感を揺さぶられながら読んだ。本当に素晴らしい生き方、素晴らしい本、素晴らしいクリエイティブ

藤原聖仁 クリエイティブディレクター(大阪市)

NEW!

私たちは今を生きていることを大切にしなきゃいけないし、
何気ない当たり前の毎日をこれでもかと精一杯生きなければいけない。
それでもまだまだ足りない。もっとアホにならなきゃ!そんな風に感じた本です。

私は「アホのつくる街と広告」と言う講演会で日下さんのことを知りました。
そして本気でアホなことをして社会に貢献していく日下さんの姿に感動してこの本を手にしました。
私自身が何のために、誰のために働くのか、表現するのかということで悩んでいたので、
明るくパワフルな日下さんのパワーを頂こうと思ったからです。

本を読んでみると、日下さん自身も順風満帆な訳ではなく、多くの事を経験されて今があるのだと知りました。
何度も止まる。そして何度も動き出す。私は日下さんの姿に時にほっこりし、時にうるうるとしながら、
明るくてパワフルな日下さんの魅力の淵源を感じました。

私自身が日下さんになれるわけではありませんが、
もっと自分らしくアホに生きていきたい。自分らしく社会貢献したい。
読み終えて今、そう思います。

刺激であたたかくなる、人生を変える出会いでした。
本を読んで完全に日下さんのファンです。
私はきっとこれからも何度もこの本を読むと思います。

日下さんに、本に出会って良かった。
ありがとうございました。


P.S.
本の中で日下さんの感情や思考のいきさつを書いてる文体がとっても面白いです。
それだけで超ほっこりします。(水野敬也先生のようでした。笑)

 

大高雄飛 劇団員 (岡山県)

悲しみに打ちひしがれる日も、痛みでからだが動かない日も、多くの悩みで潰されそうな日も、人は生きなければならないと、この本は現実を語りかけてきます。 しかし、そこで立ち止まるのではなく、自分の人生と向き合ってかっこ悪くてもいいから一歩を踏み出す大切さを著者の半生やプロジェクトを通して教えてくれます。 その中でも大きく取り上げられているのが「人との縁」です。 ここまで強烈なものなのかと痛感するくらい、いままで立ち止まって迷っていた人と人が出会うことで多くの人生が動きだしていきます。 この本は迷子たちに送る「人生賛歌」です。 コピーの指南書かな?とページをめくると、あれれ???アフガン?新世界?UFO?と全く想像とは違う世界が広がっていました。 ボク自身の入院で悟った命のリミットや仕事に何を見出して続けていくのかという疑問等、自身の経験と本の内容の一部とがシンクロし、「ああ、この本はこのタイミングで出会うべきして出会ったんだな」と過去を思い出しながら文字を追っていきます。すると、あることに気がつきました。 著者とボクは決定的に異なっているところがあります。 それは、行動力です。味園ビルの1つの出会いをきっかけに「アホになる」という最強のことばで行動し、どんどん周りを巻き込んで「人との縁」を生み出していきます。 ボクはサボっていました。立ち止まっていたし入院後も照れと遠慮を捨てきれず、ことばが出ないまま、リアルな「人との縁」を掴み損ねてきました。 この書名『迷子のコピーライター』の迷子のように動き回らないとチャンスはこないだろうし、人生の太陽はあっという間に暮れてしまうでしょう。じっとしている迷子ほどもったいないものはないのです。 また、読み終えて少し考えを巡らす時間ができると、この世界を生きる人はみんな迷子なのかもしれないと思い始めてきました。その迷子同士が出会うことで迷っている部分や足りないところを補って幸せに近づいていくのかなと。 商店街のポスター展の贈呈式ではクリエイターは自らの仕事の意味を取り戻し、商店主みなさんは、ポスターの出来栄えに感動するだけではなく、これまでの商いや人生の足跡を誰かに見つけてもらった、認識してもらったと幸せを感じるのではないかと思いました。 新世界市場の会長だった澤野さんの「今は金を稼いでへん。でも人を稼いでいるんや」という名言のように、最初は利益を生まなくても、このように足りないところを互いに補う利他的な活動が多くの人や仕事を呼び込み、次のムーブメントに繋がるというスタンスは、これからの時代さらに支持されていく気がします。 続編出版も期待しています! この本を参考にしてボクにしかできないこと・ボクがちょっとでも人から必要とされることを見つけられるように色々な人に出会いたいと思います!(いつかUFOにも出会いたい!) そして怯んだり遠慮したりする自分が現れたら文中のあのことばを唱えます。「アホになる!」と。 

コダカシュウジ (東京都)

NEW!

広告マンだけじゃなくて全ての日々悶々と過ごす社会人、アーティスト、就活生、フリーター、ニートに贈る新時代の聖書です。読みやすい、わかりやすい、面白い、黄色い、どこをとっても最高で、すごい勇気とやる気が溢れました。これ、本屋さんはどのコーナーに置こうか迷うだろうなぁ……。

巴大樹さん 元書店員 (大阪府)

広告マンだけじゃなくて全ての日々悶々と過ごす社会人、アーティスト、就活生、フリーター、ニートに贈る新時代の聖書です。読みやすい、わかりやすい、面白い、黄色い、どこをとっても最高で、すごい勇気とやる気が溢れました。これ、本屋さんはどのコーナーに置こうか迷うだろうなぁ……。

巴大樹さん 元書店員 (大阪府)

読み始めるとどんどん先が知りたくて、子供二人が戯れる中読んだりもしました。本当に共感が多くて、こんなにも読んでがーんと落ちるような、わかるわかるといいたくなるような、衝撃で止まってしまいそうな、おなかが痛くなるくらい笑ってしまうような本はありませんでした。素晴らしい本をありがとう。

後藤聖子さん (奈良県)

アホになりたくて、ウズウズする。自分のアホな部分を押し込めて、真面目に真面目に働いて仕事がつまらなくなっている大人に読んでほしい。アホの良さに励まされ、元気をもらえる本です。

横山勝教さん 公衆衛生医師 (香川県)

読んだ。憑りつかれたように寸暇を惜しんで読んだ。車内で、列待ちで、医者の待合室で、PC立ち上がるまで、パスタを茹でながら。いやぁ、恐れ入りました。上半期滑り込み私の読書No.1です! 話題を呼んだ大阪・新世界市場や文の里商店街のポスター展、そこから発展する数々のイベント。点が線に繋がって立体になり新しい場が生まれ、異分子が繋がり有機的に広がるさま。そして生と死。笑を噛みこらえ、涙をこらえ、後で読み返したいところ印付けていたらポストイットだらけになった。 どれだけ自分を開放するかと問われているような読後感。誰しもヘビーな何かを抱えて毎日生きているし、それは本当にしんどい。けれど、仕事は楽しいし、もっともっと楽しくできる人や環境に恵まれている。まずはこれに感謝して、愛情をもって、止まったり進んだり、それでいい。あとがきも胸がツーンとしました。

笹貫淳子さん フリーランス (大阪府) 

とても誠実なアホな人の話だなあと思いました。ありがとう。

永松繁隆さん 自営業 (東京都) 

どんどん脱いでいってええんやで。いらんもんが落ちて、なによりワクワクする――。日下くんの半生は、生きていくうえで大切なことを伝えてくれる。ちょんまげにするわ、UFO呼ぶわ、街に元気を運んでくるわ。職業がコピーライターってほんまですか。この本を読んで、「珍しきが花(世阿弥)」という言葉が脳裏に浮かんだ。ああ、これって日下くんが体現していることだ。いつもの日常を変えたい人に勇気を与えてくれる本。

藤明隆さん 編集者 (東京都) 

こんなおもしろいことができる方と一緒に仕事がしたいと思える本でした。地方で仕事をする身ですが、本書で日下さんが仰る「ハードなソフト」、地域に残ることは何かを考えるためのヒントが詰まっています。

青山雄磨さん 市役所職員 (福島県) 

「迷子のコピーライター」から「孤高のコピーライター」、「毎号のコピーライター」を経て「最後のコピーライター」、そして「最高のコピーライター」へ。 紆余曲折の回り道を経て、遂に己の本道へと辿り着いた日下慶太が送る、仕事や生き方に悩む大人達必携の、人生のロードマップ。多くの人々との出会いこそが、豊かな人生への最大の近道だと教えてくれるこの本。卒業、就職のお祝いに是非!

滝口アキラさん 映画ライター (千葉県) 

不覚にも泣いてしまった。 人生観が同じだったからだろうか。 ちなみに私UFO歴長いので、いつかUFO呼びましょうご一緒に。

西村麻里さん コピーライター (東京都) 

子供を寝かせ、第四章の続きを22:30から読みはじめた。プロの文章にのめり込む様にページが進んでいく、感覚的に1時間は経ったなと思い本を閉じ寝ようと携帯の時計を確認する。携帯の画面の時間は22:30。この本は時空を操ってしまっていた。なんてこった、パンナコッタ。1時間戻って得した気分。ありがたい本である。

印牧拓朗さん 設計士 (福井県) 

第一章・旅に出る・のお茶目な深夜特急?で既に私のハートは鷲掴み!読み進むうちに感情はジェットコースターのようだ!涙とまらずで翌朝目がパンパンに腫れたり、電車で読んでて桜田淳子みたいにクッククック(笑い)が止まらず車両移ったりとおおいに忙しい!
「しばしばとんでもない悲劇がかえって笑いの精神を刺激してくれる」チャップリンの言葉を思い出す
もちろん広告をつくるにあたっての重要Pointも惜しみ無くだがとにかく読んでてとても素直な気持ちになれる
大人になって迷子になるのは悪くないなって今本気で思ってます

金子なな子さん 女優 (東京都) 

最近なんだか凹み気味というか病み気味だったんですが、すごい刺激と勇気をもらいました。ほんっと面白かったです!感動しました! 俺も仕事ばかりじゃなくできることからはじめて行こうと思います。

村田晋平さん CMプランナー (大阪府) 

これは迷子の皮をかぶったモテ本です。モテたいひとは読んだ方が良い。世の中はモテを勘違いして、金太郎飴のような像をモテと紹介している。しかし人の魅力って、心の奥のドロドロから妖怪のように生まれてくるもの。この本は、そのモテ像が湧いてくるまでの迷子迷子七転八倒紆余曲折が書かれています。ああ魅力って、ここまでしないと生まれないのかと気が遠くなりますが、日下さんみたいに人類モテするならがんばりたいです。

渡邊千佳さん コピーライター (東京都) 

一生読み続けたい本に出会いました。

今の私が出会わなくてはいけない本だったんだと思いました。

UFOとか幽霊とか全く信じてないけど、
UFOに会えるかもしれないと本気で思うようになりました。

amazonで購入して、届いたら思ってた以上に分厚かったです。
でも家事、育児、仕事の合間に2日ちょっとで完読しました。
また何回でも読みたいです。

文章を読んだり、喋ったりすることが超不自由な私が

このスピードでこれだけの厚さの本を読んでるのを、

本ばっかり読んでる旦那が見て、

それよっぽど面白いんやな、早く読んで貸してよ。

というくらい。

迷える35歳を救ってくれたこの本は人生のバイブル決定です!

松間菜緒美さん 管理栄養士 (埼玉県) 

ヘンテコなタイトルと表紙。目に痛いほどのイエロー。どんな変態的な展開が待っているかと思いきや。そこで出逢ったのは…美しい、とても美しい「生きた世界」。薄く切れるような空気。後ろ髪にまとわりつく湿気。爪の間にこびり付く悲しみ。淡々と語る言葉と彼の姿のその間に、滔々と流れる[生々しく力強い]世界。喜びにも遣る瀬無さにも、何一つ目を背けない。自身を無駄にしない、1ミリも。根底に在るのはとんでもなく深い愛。命を生きる覚悟。

Yukikoxxxさん グラフィックデザイナー (京都市) 

「あまりにも完璧な秩序は“悪”である」 ―マルクス・ガブリエル―

この本を読んでいる最中、先日TVで見た哲学者の言葉が何度も頭をよぎった。

 

だって最近、ちょっと息苦しい。

SNSでも、本のタイトルでも、20代のうちにあれをやれとか、それってマナー違反なんじゃないですかとか、「絶対に○○すべき10の○○」とか、「幸せになりたいなら今すぐ○○しなさい」とか、いったい誰が言ってんだ、という【べき論】が溢れているように思う。

 

私は人にああしろこうしろと頭ごなしに言われるのが嫌いなので、こういう類のものには全く惹かれないのだけれど、それが今こんなに世の中に溢れているのは、求めている人がたくさんいるということなのかもしれない。

 

みんなきっと、不安なんだと思う。失敗したくない。傷つきたくない。回り道したくない。なるべく手っ取り早く、波風を立てず、スマートに生きていきたい。考えたり探したりしなくても、ちょっとスマホをいじればすぐに成功事例の情報が手に入るのだから、それに抗うのはなかなか難しい。

 

そんな中で、日下さんは迷子である。自分で言っちゃってる。本のタイトルにまでなっている。著書の中でもあっちへ行ったりこっちへ行ったり、どこへ向かっているのやら、今どこにいるのやら、周りもご本人も、たまに分からなくなるんじゃないだろうかと思える節がある。

 

でも、日下さんはその道すがら、いろんなものを拾ってくる。そしてそれをちゃんと次に生かす。そのやり方も言葉にして教えてくれる。例えば、私が日下さんを知るきっかけとなった「商店街ポスター展」でも、その前の商店街での「セルフ祭」でも、何がよくて何が駄目だったのか、作り手も受け手も面白くて、広告主も嬉しいものを作るために何が必要なのか、めちゃくちゃ分かりやすく説明してくれる。だから周りの人にも伝わるし、次につながって、いろんなところに広がっていく。

 

ノウハウ本とかもういいや、という人だけじゃなく、「たった1時間で成功する方法をマスターできる」というような手っ取り早い系の本ばっかり最近目につく、という人にこそ読んでもらいたい。生きていることは全部繋がっているから、回り道しているように思えても、焦らなくていいのだ。

読んだ後、ちょっと息をするのが楽になります。きっと。

大椛玲奈さん コピーライター (福岡県) 

もらえるシールがIDを隠すのにちょうどよく重宝しています(たまに職質されます)

和久田昌裕さん CMプランナー (福岡県) 

「クライアントのダメ出しは受け付けない。制作者の自由な発想で自由に表現する」のが日下さんが発案したポスター展の大原則である。日下さんは、同じ考えでこの本を書いたに違いない。自身の旅、病、仕事、家族・・・。この本には日下さんのこれまでがぎっしり、自由な表現で詰まっている。おもろい。めちゃおもろい。こんなおもろい本を書いた日下さんはもちろんのこと、この本を企画・出版した編集者のセンスと度量にも大きな拍手、である。

堤成光さん 関西風の男前 (大阪府) 

「コピーライティングに関するビジネス書かな」と思って読み始めて見たら、大学時代のバックパッカーとしての海外旅行記から始まる意外な構成で、怒涛の働きマン生活、著者自身の人生の浮き沈みを経た末に「人生の逆襲」が始まります。「商店街ポスター展」という手法を構築し、その世界が一気に全国に広がっていく様は、こちらも惹きこまれて行きます。 題名に「迷子」とありますが、時にUFOを追い、時にふんどし一丁になっている彼の姿は今や迷わずに自らの道を進んでいる様に見えました。

水原浩志さん 会社員 (東京都) 

一言でいうなら、残る本だ。世間様に出回っている著者の奇抜な外見で、もし敬遠している人がいたら勿体ない。工業化された成功者の「仕事術」、いわゆるノウハウ本が削ぎ落とす本質、物語が豊かで結果として仕事のヒントも満載の贅沢本。この本の内容と構成だけみても惜しみ無く、自分自身と他人とに向き合う人なのだとよく判った。描写もさすがは言葉のプロで、例を挙げるなら砂漠で時間を忘れるエピソードの最後の一文などはサン・テクジュベリさながら。
印象、こころ、後世に残る一冊。

とりやまみゆきさん Storyteller (大阪府) 

デアゴスティーニの分冊百科が一冊になったような実に濃厚なテーマを孕んでいて、それがわずか1,782円 って、安いよなぁとつくづく感じた本。商店街しかり、寒村しかり、それらの一連の仕事を手がけたのが「電通」の「一正社員」であることに大きな意義がある。都築響一氏をして「一般に広告って、いつも上から目線だ。『これがいいんだから買え』みたいな。でも日下くんだけは、いちばん下のほうでうごめいているなにかをぐっと押し上げて、僕らに見せてくれる。」と言わしめる。天下の電通の広告マンが終始この姿勢と目線と「おもしろい×社会にいい」をモットーに取り組むからクライアントとの深い交流を生んだ。「商店街」「まちづくり」「アート」「広告・PR」「地方創生」「自己表現」…、幅広い文脈で読める快著。オススメ!

樋口欣弥さん 広告営業 (兵庫県) 

この本を買った理由は著者の日下さんが電通で クリエイティブの仕事をされているからです。 そのノウハウを盗んで少しでも自分の仕事に活かそうと。。。 ちなみに、私はCM監督やってます。   本の感想ですが、クリエイティブのことなんて全然書いてナーーーイ。 具体的な技術とかなんもナーーーイ。 あるのはただ生き方です。日下さんの生き方。 おもろいなぁ、この人。表紙も多分、日下さんなんですよね?  この本には、日下さんのこれまでのおもろい人生の一部が書かれています。 クリエイティブのことなんて全然書いてないと書きましたが、 日下さんの生き方自体がクリエイティブ。 誰かのために動くことが、自分の原動力になる。 見返りを求めない動きが、自分にプラスになる。   題名、迷子のコピーライターとありますが、日下さん迷子じゃないと思います。 行くとこ進むとこ見えてるんじゃないかな。。。 本人が「俺は迷子や」っていうなら、あんたプロ迷子や。 わざと迷子になってそこで出会った人を、つなげたりハッピーにする プロ迷子や。そう思いました。

宮川博至さん 映像ディレクター (広島県) 

タイトルや著者の経歴から てっきり「コピーライティングの本」と思いきや、 それは異世界に引き込まれるような 不思議な気持ちにさせられる話でした。 いきなり学生時代の仰天話から始まり、 社会に出て誰もが経験する壁にぶつかり、 誰もが経験したことのない展開に陥り、 その後も連鎖するように壮絶な展開が続く。 まるで作り話のような物語に時間を忘れて読み続け、 最後は日下さんの思いを吐き出すような本音には 心を奪われました。

広告業とは関係ない人にも読んでもらいたいし、 若手のクリエイターなら絶対に必見の一冊。 特に、スタークリエイターを夢見て広告業界に飛び込み、 まわりのオーラに圧倒されながら絶望感を抱いている人は、 悩んでいるならこの本をオススメしたい。 彼の起死回生の逆転劇は自分一人の成功ではなく、 どれだけたくさんの人たちが協力し、 夢を共有し、喜びを分かち合ったことでしょうか。 多くのクリエイターは個人で表彰されるところですが、 彼の逆襲撃は、とても多くの人が結果を手に入れている。 同じことをしても日下さんと同じ結果が出るとは限らない。 だけど、正当なルートに上手くいかずもがき苦しんでいる人は、 ぜひこの本を読みながら、読んでいる間は日下さんになってほしい。 そして読み終わったあと、自分に照らし合わせて 次の日から「自分だったらこうする」を意識してほしい。 きっと、思いもよらないルートが見つかるのではないでしょうか。 仕事でもプライベートで、いま迷子になっている人へ。 私も含めて、今までとは違う展開を夢見て動けない人へ。 新しい何かを探すきっかけとして手に取ってみてください。

この本を読んだ私の思いが、 一人でも多くの人に届くことを願っています。

財津顕さん 広告人 (東京都) 

「迷子のコピーライター」。世間の基準は知らないが、おそらくこれは『良書』に分類されるだろう。 タイトルはクリエーティブ書のようであり、冒頭から繰り出される読者へのパンチの連続は自叙エッセイなのだが、 これは完璧なる「地域活性化」の本質を突いたレアな著作だと感じた。 私自身、地方での仕事に6年携わってきてぶち当たった壁とか、逆に嬉しくなる瞬間など、共感することがとても多い。それは、リアルに地域と向き合った人間にしかわからない現実の難しさとそれでもワクワクできるチャンスを追体験させてくれる仕立てになっているからだろう。 地域の仕事に悩んだりして、色々それ系の本も読んだ。そういうマジメな本と比較するのは適切ではないだろうが、そんな遍歴の果てにこれほどの本質に出会えたことは、嬉しい限りである。 註)本書の表紙や帯をみても、地方創生のビジネス書的感じは全くない。中身を読んでも、、、たぶんない。それっぽい部分だけ読んでも本質には辿りつかない気もする。しかし!全体をきちんと読んだとき、地域活性化に真面目に取り組んだ人間なら、これが圧倒的な地方創生書なんだということを痛感するに違いない。(一読者としての勝手な感想である。)

 近い将来、日本の各地でUFOは召喚され、多くの人が焼きそばUFOの味とともに、不可思議な体験を噛みしめるのではないかと思わざるをえない。

北を徘徊する地域ディレクター  Morio 

迷子じゃなければ、コピーライターじゃない。

いま、コピーライターとしてあせっている人。
いいコピーが書けなくて、劣等感にさいなまれている人。
誰かがつくった仕事が話題になっているのがいたたまれなくて、

SNSをしばらく見ていない人。でもやっぱりついつい見ちゃう人。
そもそも自分はこの職業に向いているんだろうか?と思っている人。
朝、鏡をみて「もし今日が人生最後の日なら、これってやりたい仕事だろうか?」
とジョブスのマネして自問自答している人。そうです。それはわたしです。
そんな人はいますぐ「迷子のコピーライター」を読んだほうがいいと思います。

日下くんがしばらく入院すると聞いて、
病室にお見舞いに行ったのはたしか暑い夏の日でした。
一時はフラニーとゾーイと呼び合っていた文学仲間として(ゾゾゾ)、

できる限り、広告とは関係のない内容の、

ぶあつい文庫本を何冊か差し入れました。
「マシアス・ギリの失脚」とかだった気がします。
安い文庫本なのにプレゼントせずに、

あとで返してね、としつこく言ったのを覚えています。

入院が長くなりそうなことを察した帰り道。

「TCC新人賞もとって、これからって時に辛いだろうなあ」

と思いをはせていたのは、遠い昔。
その後、仕事に復帰すると日下くんは独自の世界観を爆発させて

新しい枠組みの広告を作り続け、話題になり、佐治敬三賞もとり、
「心から本当にいいと思っていることをやってそうで
うらやましい作り手トップ10」に踊りでました。

いったい、日下くんになにが起こったのか?
そういえば、復帰してからちょっと話したときに

チャクラが開いたとか、アセンションが起こったとか、

ぶつぶつ言っていたな……
大阪配属と東京配属で離れて過ごすようになっていたので、
うかがい知れなかった、日下くんの心の軌跡と奇跡が
この本には詳細に記されていました。

 

一読すると、コピーライティングのノウハウはほぼ書いていません。

いったいこれは、だれの自叙伝を読まされているのかな?

と最初は思うかもしれません。
そう、この本には日下くんの

人生のジェットコースターっぷりが

驚きの感情に対する記憶力で書いてあります。

よくこんなに自分の心の動きと

ディテールを覚えているなあと思います。
そしてコピーライターとはいかに
おそろしい職業かを痛感することになります。

これでもかと投げつけられる

不運、挫折、失敗、嫉妬心、劣等感、あせり、
そういうものをどうのりこえたか?
どう希望に変えていったか?

コピーライターとはそういう心の力が

つくるものにぜんぶ出てしまう職業だという事実が、

濃密なエピソードの数々とともに胸に迫ってきます。

 

そして、数々の困難と向き合い

日下くんが心と仕事の自由を獲得していく

詳細な過程を読み進めるうちに気づくのです。

どんなテクニックよりも、コピーの事例よりも、

これこそが、究極のコピーライターとしての

ハウツー本のなのかもしれないと。

いいコピー、いいアウトプットに辿り着くために、

心の筋トレをどうやってきたのか。

 

そうやって、日下くんは

かつて自分に居場所がなかった場所で、

新しい居場所をつくっていきます。

そして、自分で耕した新しい土地に、

たくさんの種をまいて、人をまねいて、

幸せを育てていきます。

 

ああ、自分の心から聞こえてきた声に正直に、

アホになれた日下くんがうらやましい。

自分の弱い心に支配されずに、

自分の心のジェダイマスターになれた日下くんがうらやましい。

UFOを呼べる日下くんがうらやましい。

その境地で仕事三昧するのは、最高に楽しいだろうなあ。

いまだにくだらない煩悩どっぷりなわたしも、

このあせり、この不毛から解脱して、

いつかいい広告に変えられる日がくるんでしょうか?

希望は、かつて日下くんがそうだったように、

いまわたしも絶賛迷子中だってことです。
そして迷子の経験は、いつかきっと、いいコピーを書く栄養になる。

人の気持ちによりそって、共感をうみだす土壌になる。

もうちょっと、書いてみようと思いました。

この書評の締め切りも守れなかったけど……

細川美和子さん コピーライター (東京都) 

日下さんは、前職の広告制作時代、人生の迷子になりかけていた僕にひとり旅をすすめてくれたり、旅から帰国した際にはわざわざ時間をとって色々と話を聞いてくれたり、今の活動に大きな影響をくれた存在のひとりだ。(そんな日下さんも迷子だったなんて当時は考えもしなかった)

最初は本の分厚さにたじろいだが、読み進めるとどんどん日下節の世界に惹かれていく自分がいた。伝記ともハウツー本とも違う、旅人がノートに書きなぐっていた日記を覗き見ているようなそんな気分になった。(なんというか本音で書かれていることが読んでいて伝わってくる)誰かに評価されたり、して欲しかったりする文体ではなく、とてもプライベートな空間に招き入れてくれた安堵感と共に読みすすめることができた。

印象的な言葉は多々あったが(…ネタバレになるのでここでは割愛)個人的には読み終わってみて、未来を見つめる前向きさよりも、自分が通ってきた過去を振り返るきっかけをくれる本だと感じた。昔好きだった曲、好きだった映画、鳥取に移住してやりたかった事、過ぎ去った過去だと思っていたけど、やっぱり自分の中にしっかり根づいていることに気づかされた。過去があるから今を生きることができている。そんな当たり前の事を教えてくれた本だった。

お盆の時期に読むべくして読んだ一冊だったのかも知れないな。

得田優さん 自然がっこう旅をする木 (鳥取県) 

かっこいい事書く時は文章がちょっと照れてて、情けない事書く時はなぜか自慢気。文章から人柄を感じて心地いい。 そういう仕事をする人なんだなぁと思いながら読みました。

吉田田タカシさん DOBERMAN/アトリエe.f.t. (奈良県) 

今年の11月で43歳になる。後厄だ。 「四十にして不惑」と孔子は言ったけれど、 40歳に突入してから、仕事、家庭、子育て、お金の事、自分の事など、 とにかく迷っている。「いったいこのままでいいのか」と。 むしろ、迷いはどんどん増える一方だ。 厄年のせいにしているけど、来年から迷いが減っていくとは思えない。 迷いは不安につながる。 ないほうがいいに決まっている。 だから、「ブレない生き方」とか「確固たる信念」という言葉に憧れる。 「成功のメソッド」とか「今時のライフスタイル」を取り入れたら、 迷いを吹き飛ばせるんじゃないかと想像する。 でも、そういうテーマの本を、20~30代に読みまくっているから、 アテにならないと、諦めている。 が、ちょっと時間が経つと、そのテの本にすがってみたい気持ちが ふっとよみがえる。 そんな感じで、その日も青山ブックセンターにいた。 入り口の近くには、「生き方指南」や「アイデア発想法」といった 本が並んでいるコーナーがある。吸い寄せられる。 そこに、見慣れない、真っ黄色の本がある。 表紙の中央に派手な格好の人がいる。 帯には、「ポスターを作り、街をおこし、UFOを呼ぶ」と書いてある。 タイトルは「迷子のコピーライター」。 最初は、よくある「コピーの書き方」本なんだろうなと思った。 「迷子」とは、読者のことを指していると思った。 少し読んでみる。 なんだか様子が違う。 コピーの話が全然でてこない。 でも、おもしろい。 なんだ、これは。 表紙をもう一度みる。 中央の人はよく見ると、赤いジャケットに赤いタイツを履いている。 頭のヘルメットには、息を吹くとピューッと伸びるピロピロが沢山ついてる。 自転車のカゴには、あふれんばかりの花。 髪がモジャモジャのひげ面の男。 そうか・・・。 迷っているのは、著者なんだ。 それが日下慶太さんだった。 先日、行方不明の2歳児が4日ぶりに見つかった。 見つけたのは、他県からやってきたボランティアのおじいさんだった。 迷っている人がいたら、探す人もでてくる。 日下さんも、徹底的に迷っている。 だからなんだろうか。 日下さんの周りには、いつでも愉快な人が集まってくる。 この本は「迷い」を肯定してくれる。 迷いはふっきれない。 でも、それでいいのだ。

藤間保弘さん 会社員 (東京都) 

『失われた時を求めて』と『特性のない男』を最後まで読んだやつに会ったことがない。って感じのことを昔どっかで書いたことがあって、実際にそんなやつ見たことなかったんだけど、この本の中にも出てくるけど、著者である日下さんは 『失われた時を求めて』を最後まで読んでいる。『特性のない男』を読んだのかどうかはしらない。  本書にも再三出てくるピカスペースってお店で初めて日下さんとお話ししたときに、「『失われた時を求めて』を最後まで読んでん」という話が出た。なんでそんな話になったのか忘れたけど。それ聞いたときに、僕が提唱していた定説が崩れたやんけ! なんてアホな人なんだ!と思うと同時に、なんとも言えない嬉しさみたいなものを感じたのでした。  で、本書ではそんな「アホ」が重要なキーワードになっています。  僕は10代の頃から「意味なんかないことの意味性」について考えてて、なんやそれ?っていうと、例えば「犬が自分の尻尾に噛みつこうとしてグルグル回ってる図」みたいなことで、誰も得しない、非生産的な行為だけど、そこには得も言われぬおかしみがある。一言でいうと、アホなんだけど、おもろい。だから、そんな意味のない行為や出来事にこそ、大切な意味があるんじゃないかと、意味のないことや行動に興味をもったのでした。そこには理詰めの行動では理解できない、強みや面白さが生まれると。日下さんの本に出てくる「アホ」は少しニュアンスが違うかもだけど、アホになることの強み、面白さがよく伝わってきます。  僕もグルグル回ってんと、日向小次郎ばりに猪突猛進しないとって思わされました。アホになって。  んで、この「アホ」を仕事に持ち込んだら面白いことできるのに、って多くの人が考えると思うんですけど、その実現は難しい。本書ではそんな無理難題に挑んだ、無茶なプロジェクトが複数紹介されていますが、アホな取り組みがしっかりとビジネスにつながっていってるところがすごいです。 個人的には、大野のプロジェクトがいいなーと思いました。一回大野に行ってみたいな、そんな気持ちになりました。  あと、本書を読んでると、「日下さんと飲みに行きたいなー」とか、「ピカスペースに顔出したなー」とか、ちょっと思わされました。いや、それ、お前もともと知り合いやからやろってつっこみも発生しそうですけど、全然知らん人が読んでも、そんな風に感じるかもです。村上春樹の新作読んで、著者に会いたいなと思ってもそうはいきませんが、日下さんだと新世界に行けばなんとかなりそうです。「会いに行けるアイドル」ばりに会えますよ! 握手できますよ。一緒に写真撮って、ブロマイド1000円で購入できますよ。

中川充さん コピーライター (大阪府) 

なかなか読み進めることができず 日下さんの本を読み終わるためにも 別の読書が必要でした。 『モグラびと ニューヨーク地下生活者たち』 『FBI心理分析官 異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記』 とあるシリアルキラーの言葉を借りれば 日下さんは「写真のネガ」みたいな人だと思います。 日下さんのまわりに人が集まってくるのは、 日下さんが彼らがどんなものを見たいかを察して それを体現してくれるからです。 彼らは自分自身を日下さんに投影して その表面に映ったもの、 日下さんの中に自分を見ているのではないでしょうか。 「迷子のコピーライター」という本は 日下さんの人生、現実に立ち会った数多くの撮影原板、証拠そのものです。 つねにそこへ立ち返れるように、 きっと多くの読者にとって 大切に保存され、必要なときに繰り返し手にとって読み深める本として、欠かせない人生の添え木になる良書です。

髙木奈津美さん アソートボックス オーナー (大阪府) 

重いボウリングの玉を低反発素材で包んだような本です。 この本の厚さはダテじゃない。 この本がラーメンだったとしてもゾッとする濃さです。 でも、クセになります。 牛丼でいえば、日下本は果てしなくツユダクダクで、本の真ん中までしっかりと、濃厚なツユがしみ込んでいます。 やはり他店にはない味で、クセになります。 世界各国のスパイスが隠し味で入っているからでしょうか。 いずれにせよ、最後の一滴、一粒まで食さずにはいられない一品、一冊であることには間違いありません。 また、本それ自体でも十分に読み応えがあるのにもかかわらず、この本には「付録」が沢山付いてきます。 この本のよさ、言いかえれば日下氏の持つよさは、他の追随を許さない「付録」の充実にもあると思います。 「付録」は、氏の持つボーダレスな交友関係に由来するところも多く、簡単に真似ができるものではありません。 この「付録」とは、大阪、岡山、下北沢、仙台、長野、大分、大野、京都 、and more として札幌、東京、三重、奈良でも予定される「迷子のコピーライター」刊行記念全国ツアーです。 内容は8時間耐久トークや実際にポスターを作成する等、刊行記念の本の解説という枠を時には(体験上、実際はイベントによってはほとんど・・・ですが)超えます。 物体としての本に「付録」をも含め、一体化した上で、初めて『本』であると、日下氏は再定義しているのかもしれません。 各ツアーイベントの内容は様々ですが、広告ってほんまは身近なもんやんというのを、何の知識もない素人だけではなく、その道の関係者も含め、優しく教え、私達を再考に導いてくれている気がします。 最後に、冒頭のボウリングの玉ですが・・・ レーンの傾きで左右にふらつきながら、時には止まりそうになりながら、迷走しつつ、当初は予想もしなかった数のピンをなぎ倒しました。 ただ、ワンピン残りました。 日下氏の二投目もまた同じように迷走して、最後はしっかりスペアというのが私の予想であり希望です。

橋本啓志さん 税理士事務所 (大阪府) 

この本、最初はまるで小雨のような雰囲気で、中盤にはだんだんと風が強くなってくる。そしてクライマックスの部分では、台風の中で風に暴れる木々のような雰囲気が伝わってくる。激流のような人生。水はぶつかり、岩を砕き、制御できない心の怪物を呼び起こす。そして読者に向けた一文は、自分を祭るべし。照れと遠慮を捨てて、アホになるべし。

 

 生きていれば、つらいことも悲しいことも面白いこともある。心をえぐるような極限の状態もある。様々な状況が、とてもいきいきと描かれている。あほにならんと生きていけんなーという悟りに達するまでの心をなぞることができる。

 

広い意味でクリエイティブなことをするとき、自分をいつくしみ、自分の内面から出てくるものを大切にしてあげること。それが本当は最初に感じるべき優しさなのだと、この本を読んで、改めて思う。それができるからこそ、ほかの人にも優しくなれるような気がする。もちろん、広告として世に出すのであれば、厳しい目線や自己批判も必要だけど、それに耐えるには、まず自分を愛でてあげなければいけないんじゃないか。

 

おまけとして、「アホがつくる街と広告」という広告論のお話が引っ付いている。どんな人がその言葉を発するかが、とても大事である。全段を読んでからこれを読むと、全く違った見え方になることに気付く。ああそうか。ただの広告論じゃない。これが、「日下さんの」広告論で、人生観なんだ。照れと遠慮を捨ててアホになる。そうか、それでいいんだ。バカボンパパはこういう気持ちだったんだろうか。なんだか生きるのが楽になった気がするぞ。照れてもじもじして、賢いふりをしているから怖くて、アホになれなくて行動できないなんて、なんかもったいないじゃないか。そんな気持ちになる本でした。

原田直弥さん 行政職員 (長野県) 

 私がこの本を手に取ったきっかけは、大学で開かれた日下さんのトークイベントに参加したことだ。イベントで見た日下さんは、長髪でひげを生やしていて、たしかバカボンのTシャツを着ていて、どこか達観したようなまなざしが印象的だった。その姿は、奥地にひっそりと住む仙人を思わせた。日下さんは自身のコピーライターとしての活動について、自主企画、大学生へのアドバイスなどを、センスを感じさせるパワーポイントや動画を交えつつ、淡々と語ってくれた。彼が、とてもまじめに面白いことをしている人だということはわかった。しかし、私は日下さんの人生や仕事についてもっと知りたいと思った。彼がいかにして「好きなことを仕事にして、楽しく生きてきた」のかを深く知りたかった。財布の中にほとんどお金が入っていなかったので迷ったが、ド派手な黄色い表紙に、怪しい仮装をした男の人が写っている、分厚い本を本人から買った。二回ほど見比べて、その仮装した男の人が日下さんだと気づいて思わず笑いそうになったが、そこでは世間話をして、その場を離れた。

 「迷子のコピーライター」を読み終え、最初に思い出したのは、小学校時代の担任の言葉だった。学芸会のリハーサルの時、笑いながらギャグを言った生徒に対し、先生は「面白いことを真剣にやるから面白いんだ。面白いことを不真面目にやっても面白くないよ。」と言っていた。日下さんは、その人生をかけて、自らの面白さを日々更新し続けている。その面白さは、楽しい仮装姿だけではなく、地域創生の鍵となる、ついクスリと笑ってしまうポスター制作、世間をアッと驚かせるようなPV制作まで、多岐にわたる。日下さんの肩書だけを見ると、とてもたくさんの広告賞を受賞されており、順風満帆なコピーライター人生を送ってこられたのだろうと錯覚しそうになるが、この本を読むと、決してそんなことはなく、壁にぶつかっても自ら道を切り開き、まじめに面白い取り組みを続けてきた人なのだということがよくわかる。印象的なのは、「照れと遠慮を捨てて、アホになれ」という言葉である。アホになるって、どうやって?そう思った方にはぜひ、この本を手に取って読んでみてほしい。関西人は「アホ」という言葉が最高の誉め言葉だと聞く。真面目に、アホを貫く。そんな日下さんの姿に、きっと一歩踏み出す勇気をもらえるはずだ。

福田望琴さん 大学生 (大阪府) 

たぶん15年くらい前。日下くんとわたしは、同じ会社で同じ部にいて、隣の席に座ってた。隣だけど半分ずれてて、それぞれ前後反対方向を向いて。今思えばへんな配置だった。おはよう、とか、おはようございます、とか言って。年とか違うし友達っていうのもおかしいのかもしれないけど、日下くんの行ったことのある街の中で、私も行ったことのある街があって、ハバロフスクとカトマンズとバラナシと上海と、あと、他にもどっか。それで日下くんは会議室で写真をいっぱい見せてくれた。鳥葬の話とかした。高速の下ばっかりの写真撮ってみようって思ってるんですって言ってた。ゴングのレコード貸してあげた。お昼いったあと、近所のビルの屋上で南米の小説の話もした。あの頃、日下くんは、自分の人生じゃないとこ歩いてたのか。ずっとずっとあと、ほんのこの間のことだけど、ふらっと寄ってみた新世界のピカスペースのトイレ行く前の柱に「死は遠くにはない。割と近くにある。」って書いた紙が貼ってあったけど、あれは日下くんの言葉だったのか。死の隣を、アホが歩いていくんだな。

松井美耶子さん フリー (大阪府) 

書評を書いてくれと言われた 書評をWikipediaで調べて見た なんかわからなかったから 自分なりの、日下評を書こうと思う。

わたしは、今回の迷子のコピーライターを読んで、他の読書された方々とは、違うラインで読み終えたと思っている わたしは、彼と6年前にセルフ祭を通して出会っている わたしの運営する新世界市場にある、イマジネーションピカスペースの常連&企画者として または、商店街ポスター展の設営担当者として、この6年間のあらゆる出来事を共有してきたと思っている。わたしにとって、彼の存在は【アタリマエ】である。身内が本を出した、みたいなもんだ。そして迷子のコピーライターの内容もほとんどを聞いてきたし、また一緒に経験してきた事柄がおおかった なぜ彼がここまでに至ったか、わたしは、この目で見続けてきていた 迷子のコピーライターは、彼の自伝的なものだ その始まりは、衝動的な外の世界への旅から始まる 誰もが通る世界では無いが、エネルギッシュな若者が持つ健全な事柄である。

わたしも東北の漁師町で育った為、すぐに外の世界に興味を持ち 旅立った

人は、何か共通事項があると自分自身を重ねてしまう そしてその共通事項の、答えを知りたい 彼を知らない、または知っている、関係者、身内と関係性によってどのように感じるかを、 わたしにとって初めて考えさせてくれる作品だった わたしは、迷子のコピーライターは、誰にでもある【あらがえない】出来事を、経験し、彼なりの俯瞰的な切り取り方、自分自身さえも俯瞰する、 その出来事に対して、彼なりの葛藤と本音の差異のバランスを保たず、作中で吐露する表現に彼を感じる あらがえない、あらがう、あがく、アホになる その工程は、誰しもにある事である その中にアホになると言う所を、所有している人物は稀である それが彼なりの、ひとつの極みではないだろうか

人は習慣の寄木細工の様なものだ、そこに必ず各々の型が出来てしまう それは、生きる為に悪くないし、必要な事だ ただガッチリ組み込まれたものは、強いが負荷も強く遊びが無い そこに彼は、遊びを促している それが【アホになる】すすめである 自分を俯瞰してたまには、自分自身を素材として扱うのも悪くない それを彼は、実践してきてるのでは、ないだろうか だから彼には、魅力があるのだろう そしてもうひとつ、近い存在のわたしが思うのは、この本をとって読み終えた後にもう1つ付け加えたい事がある それは、自分の周りに彼の様な愛のある存在を、近くに持つ事である わたしは、幸いな事に、彼を【アタリマエ】の存在として近くに感じるし、一緒にアホな事もよくする それは、本当に本当に素敵な事だ 今の彼の近い存在としてわたしは、得をしているのかな よく彼は、被弾して酷い顔を見せる しかし、たくましいかな 必ず前線に戻ってくる、その様はまるで発光体の様で暖かい わたしは、そんな日下慶太を愛してる ただ彼は、ドストエフスキーが大好きらしい わたしは、ヘルマン・ヘッセが大好きである 次回作に彼の世界観を超超超期待してまーす♡

気仙沼はるきさん ピカスペース店主 (大阪府) 

すごく刺激を受けました。何がすごいってまず第一に、目次がすごい。ページが書いてない上に目次がひとつのエッセイになっている。すでにここで日下氏は「迷子」になっており、一緒に迷子になった気分になった。 それから第三章に出てくる「ゴブリンのオッサン」が、足先から頭の先までグラデーションカラーで街並みに溶け込むくだり、自分と重ね合わせる人も多いだろう。 さらにラストの「地方一日署長雑感」は、万引き家族と奇しくもカブってしまうエピソード。 とにかく万引き家族も観てないし、この本も読んでないけど、続編がめっちゃ期待できる一冊!!オススメ!!

田中偉一郎さん ストリート・デストロイヤー (東京都) 

本は好きである。しかし、(全ページではないが)音読したのは、高校の古文の授業の鴨長明の「方丈記」以来かもしれない。それぐらい彼の文体には音に出して読みたい美しさがあった。文字面だけ見ると、記憶と事実の断片を並べたような、単調な文章が続くのだが、本全体を通して、音としての美しさを感じずにいられない不思議な本であった。

自分なりの勝手な結論というか解釈であるが、300ページ超の大作にも関わらず、そのほぼすべてが「行間」で構成されているような気もした。彼は本当の想いをほとんど文字にしていないのではないだろうか。コピーライターでありながらも、言葉にした瞬間に真実から遠ざかることは、素直に表現しないことを選択しているのではないだろうか。文体に欲を感じないからなのか、あるいは、自叙伝にも関わらずどこか二人称で、三人称で、いや世の中のあらゆる喜怒哀楽を二周ほどした人間にしか書けない四人称とでも言いたい達観性を文体に感じたからなのか。深読みしすぎだとは思うが、彼が会社の同期であり、知っている人間であることを差し置いても、こんなにも自分勝手に行間を感じずにはいられない本は初めてかもしれない。しかしながら音に出すと美しい。ほとんどが行間で構成されているような気がしながらも、音に出すと美しいというアンチテーゼに混乱したが、だからこそ音に出すと美しい、と結論付けた。

本が好きなりに、読むのも早いのであるが、こんなにもゆっくりと本と向きあったの久しぶりかもしれない。4日毎晩、本を読みながら、彼の人生と格闘した。

総じて素直に言うと、本当に素晴らしい本を世の中に出してくれたことに心より感謝したい。広告業界の人は是非読んでほしい。広告という仕事の本質を見極めないで流されていると、昨日より今日、今日より明日、人間の欲望をさらに増殖させ、同時に傷つける人間を増殖させることに加担してしまうことになることに、この本を読んで気付いてほしい。そして彼こそ、世の中の笑顔を一人、また一人と作っていく、本来はそうであるはずの正真正銘の広告マンであることを知ってほしいし、手本にしてほしい。

もう一度言いますが、広告業界の人、必ず読んでください。そしてみんなで彼といっしょに広告の本質を見極め、昨日より今日、今日より明日、世の中を明るい方向に導いて行けるような広告活動をしていきませんか。今こそ広告業界が変わるときです。この本が世の中に出たということが、変われることの十分すぎる証だと思っています。

大森康弘さん 広告マン (東京都) 

みんながみんな大好きな仕事をしているわけではないのは当たり前。くれぐれも勘違いしてはいけない。著者は電通という大企業に入り花のコピーライターになれたから幸せなわけではない。

数々の挫折や障壁と愛する家族との別れという経験を経て、自分の人生とは何なのか、それにどう向き合えばいいのか真剣に対峙した結果今の彼があるのだ。

確実に言えるのは、彼の仕事での成功は彼の持ち前のキャラクターもさることながら、セルフ祭に代表されるような、おもろいことをやりたいというそのハンパない熱量を他人と上手に共有し、明確なアウトプットとして作り上げていく彼独特の人との付き合い方によるところが大きい。

仕事をしているというよりも、常に人と関わっている、それもディープに。そんな印象を受けた。だから彼の仕事は、そのアウトプットにはいつも人が中心にあり、おもしろみとあわせて人の生き方に共存する悲しさや切なさまでもを感じさせるのだろう。

そのスタンスに共感する人が日々増えていき、今回こうして素晴らしい本を出すまでのコピーライター日下慶太となったのだと思う。

 

それにしても面白かった。読みふけっていた。

大学のモラトリアムを埋めるべくの海外放浪それも危険な地域へ。好奇心とその先へ突き進む挑戦心のかたまり。1年先に社会人になった僕は大学5年生の彼へ今のうちに借金してでも海外旅行に行っといた方がいいでとアドバイスしたのは覚えているだろうか(笑)

妹さんをなくしたのは彼から直接聞いた。僕もその頃、妻の出産入院日にお腹の子をなくすという経験をして悲しみの毎日だった。二人で千葉の海岸近くの古ぼけた喫茶店でお互いその話をしたのをよく覚えている。

身近な人の死は人生や考え方を大きく変える。彼が言う、死を乗り越えるという意味もわかる。死を受け止めてその死と共にどう生きていくかが僕の場合はなかなか整理できなかったし時間がかかった。これは人それぞれだろう。

お父さんの退官講義のエピソードも印象的だ。これは彼の、俺ってよくできた子どもだろうアピールだとしても、面白みの中にじーんと胸に入ってくるものを感じた。気持ちでは親に感謝していてもそれを具体的かつ明確に表現できる人はそうそういない。

これらP107からの、「生まれる」―「死ぬ」―「決意」までの読み手に息継ぎさせない勢いは圧巻だ。

 

夜、家族が寝静まったダイニングテーブルで一人ほくそ笑みながらそして次の瞬間には涙しながら読ませて頂きました。あらためて素晴らしい本だと思います。

タナカユウキさん 大学時代の友人 (神奈川県) 

日下慶太(くさかけいた)さんは、紛れもなく、電通のコピーライターである。 私にとっては、大学のゼミの後輩。彼の電通の最終面接の前夜、電話がかかってきた間柄。 彼は、朝日広告賞やTCC最高新人賞などを受賞しているように、コピーライター、写真家としての腕がある。 活躍していることは、薄っすらと知っていた。 しかし、表紙の画は、私が知っている彼の風貌ではなかった。 タイトルにある「迷子」も、パッと見、よくわからない。 手に取ると意外に分厚くて、文字が多い。 驚いたが、読み始め、それなりのペースで読了。 一言で言えば、編年体で書かれた、自叙伝。 彼の喜怒哀楽、生き様が、しっかりつまっている。 涙もろくない私でも、本書を読んで、涙が出た。 学生時代の、下手をすれば、命がなかったかもしれない旅。 いろいろなことがありすぎたせいか、旅が惰性になったというのも、興味深い。 「自分を曲げるのが何だ」と突入した、サラリーマン生活。 成果を残した矢先の病気で、スタークリエーターからドロップアウト。 辿り着いた先の、偶然の出会い。 セルフ祭り、商店街ポスター展へと続いていく流れ。 その中で、彼の人生の転機には、写真があったことがわかる。 最初から順風満帆だったわけでは、決してない。 また、彼自身も、最初から、前向きだったわけでもない。 課外活動に仕事を持ち込む、公私混同に対する、相当な不安もあった。 しかし、上司、会社の理解、後押しという幸運 (ノーが出ていたら、この時点で本書は「完」だったかもしれない)。 結果的に、東京の最前線で戦う中で、大阪という地方の良さを再確認できたことも。 ただ、感性にまかせて、突っ走ったわけでもない。現状に対する違和感を大切に。 どうすれば、よくなるのか?その解決策としての、写真、ポスターなどなど。 会社や地域社会、マスコミ、時には、競合他社さえも巻き込んできた。 時に泥臭く、文字通り汗をかいて、熱中症にもなりながら。 病み上がりの身体に鞭打って、大きな悲しみも乗り越えて。一歩一歩、進んできたのがわかる。 (彼は、いい営業マンにも、いい政治家にも、いい宗教家にもなれるだろう)。 自分が、その現場に居合わせているような、臨場感が本書にはある。 自分だったら、どんなやり方で、どんな言葉で、どんなビジュアルで、状況を打開できただろうか? 想像しながら読むのも、楽しい(軽いジェラシーもある)。 そして、佐治敬三賞を受賞したあとの、「日下祭」。 祭りのピークに目がけての描写は、映画のクライマックスのようで、面白かった。 いささか、調子に乗りすぎた感もあるが。 時に羽目を外すことも、バランスをとる上で、必要なことなのだろう。 特に、「UFOヤッホー」のくだりは、一般的には、人口に膾炙しにくいと思える。 ただ、本書を最初から読んできた読者なら、彼の辿り着いた境地に納得できるのかもしれない (実際、「はじめに」で「できれば最初から読んでいただきたい」とある)。 原初の祈りを体感する。みんなの気持ちを一つにして、真剣に祈りを捧げる。 そのための準備、儀式を全力で行う。UFO召喚は、彼にとって重要な営みなのだろう。 古の人が、護摩や、題目や、勤行を初めて見た時の衝撃に近いのかもしれない。 人それぞれに、神が宿るという悟りには、共感を覚えた。 法華経でいうところの、地涌の菩薩(じゆのぼさつ)に近い気がした。 大企業の社長からホームレスまで、「人を稼ぐ」様子も、ほほえましい。 彼には、目標を共有できる仲間、そして、理解のある家族がいる。 確かに、彼が「迷子」だった時期は、あった。しかし、今、彼は「迷子」ではない。 「迷子だったコピーライター」。 「大事なことは写真(今は、UFOヤッホーか?)が教えてくれた」とも言えるだろう。 「(旅+写真+セルフ祭り+ポスター展)×(家族+仲間)×(UFO)=日下慶太」と定義できる気もする。 そして、彼は「照れと遠慮を捨てて、アホになろう」と呼びかける。 誰にでもできる、と彼は、言う。 果たして、そうだろうか? 電通という金看板もない。 輝かしい受賞歴という実績もない。 有益な課外活動ができる趣味もない。 そんな人は、どうすればいいのだろうか? アホになるだけでは足りないのではないか? 人を巻き込めないのではないか? 様々な疑念も生じる。 しかし、今、自分がいる立ち位置から、始めよう。 ないものねだりをしても、仕方がない。 不作為による機会損失は、もっと甚大で、致命的ですらある。 自分を、もう少しだけ、大事にしてみよう。 できることから、始めよう。例えば、同好の士が集まる場所に参加すること。 幸いにも、全国各地で開かれている本書の刊行記念イベントがある。 実際、私自身、大学時代のゼミの同期とも10数年ぶりに再会できた。 はじめの一歩は、本書のおかげで、踏み出せた気がする。 面白くて、ためになるものを、残していくことの尊さ。 できる限り、自分たちなりのやり方で。 広告業界の人以外にも共感できる、普遍的で根源的な力の源が、本書にはあると思える。 多種多様な人と、何かを通じて仲良くなる。 そして、何かを成し遂げる営み、喜び。 それこそが、人生という旅の醍醐味なのかもしれない。 本書は、まさに「黄色くて分厚い旅のパスポートや~!」 旅のお供に一冊、どうぞ。

山口信行さん 役者 (東京都) 

真っ黄色な表紙の真ん中に危ないおじさんが写っています。町ですれ違ったら目を合わせてはいけないタイプです。でも、本のタイトルに『迷子のコピーライター』とあるから、どうやらこの人はコピーライターらしい。コピーライターの仕事術の本なのかなと思って手に取ってみたら、あの大阪の商店街の「斜め上をゆくポスター」の仕掛け人だということが分かり、驚きました。

 

それだけでも十分に興味を掻き立てられたのですが、なんと福井の「大野へかえろう」キャンペーンも手掛けていた人だということが分かり、さらに驚いてしまいました。

 

私は、大阪の商店街ポスターも、「大野へかえろう」も、それぞれ極めてクオリティが高い素晴らしいキャンペーンだと敬服していたのです。それらをまさか同じ人が手掛けていたとは。これはもう会いにいくしかないということで、日下さんにインタビューし、記事を書かせていただきました。

 

「おもろいポスターの仕掛け人が発見した地方の豊かさ」

 

お会いした日下さんは、ご自身が手掛けたポスターやキャンペーンのように、やはり面白くて、優しい人でした。印象に残っているのは、学生時代に身の回りの「トマソン」を探す遊びをしていたというお話。トマソンとは前衛美術家・作家の赤瀬川原平さんが生み出した概念で、「不動産に付属し、まるで展示するかのように美しく保存されている無用の長物」を指します。つくった人は芸術なんてまったく意識していないんだけど、その存在がもはや芸術である、という物体のことです。

 

私は、日下さんが手掛ける広告もこの本も、トマソンに通じるものがあると思いました。それは「狙っていない」という点においてです。

 

日下さんはこの本で、昨今のクリエイターが作品を「通す」ことに精一杯になって、「作る」ことのエネルギーを削がれている、ということを書かれています。『迷子のクリエイター』は、「通す」ことは後回しにして「作る」ことのみを追求して形にした本だと思います。言い換えると、「狙っていない」のです。

 

日下さんは、本書で自分の人生の出来事をあるがまま語っています。それが結果的に日下さんならではの広告論、デザイン論、町おこし論につながっています。人生と仕事が混ざり合って、一体になっていると言ってもいいかもしれません。だからこそ、ずしんと重い本です。この本を読むと、日下さんの仕事の哲学や方法を知るだけでなく、日下さんの人生そのものと向き合うことにもなるからです。

 

さて、私にとって、この本を読んでいちばん役に立ち、納得させられたのは、なんといっても「アホ」になることの効用でした。

 

日下さんの「アホになろう」というメッセージを受けて、以前取材したことのある水族館を思い出しました。

 

山形県に「加茂水族館」というクラゲで有名な水族館があります。今でこそ山形屈指の観光スポットですが、一時期は客がまったく訪れず、閉館寸前まで追い詰められた水族館です。復活の秘訣を村上館長(当時)に取材したとき、「頭を使っていろいろなことをやったけど何もうまくいかなかった。けれども、あるとき開き直ってアホなことをやったら、うまく回り始めた」というようなことをおっしゃっていました。

 

・詳しくはこちら→「全力で『バカ』をやれば道が開ける、世界一のクラゲ水族館に学ぶ大逆転の秘策」

 

世の中の人は、実はみんなアホなことが好きなのです。村上さんは、「アホなことをするとみんなから笑われる。なぜ笑われるかというと、魅力的だからだ」との名言を発していました。

 

あらゆるジャンルで言ることですが、画期的・破壊的なイノベーターが登場すると、傍から見たら「アホ」に見えます。ジェームズ・ブラウンも、エルビス・プレスリーも、ジミヘンも、最初は衝撃的すぎてみんなから「アホか」と思われていたはずです。

 

本書を読んで、アホになることの価値と大切さをますます思い知らされました。縮こまっていないで、もっとアホになるべく精進したいと思います。

 

(追記)自宅でこの本を読んでいたら、中学生の娘に「表紙に写ってるの、お父さん?」と聞かれました。

鶴岡 弘之さん 編集者(東京都)

 
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